2026-07-15
収納は「量」より「場所・奥行・高さ・動線」で決まります。延べ床面積の10〜15%を、適材適所の収納に振り分けるのが目安です。先に「モノの量」と「生活パターン」を把握してから間取りを決めることが重要です。
一言で言うと、「収納は量よりも”出し入れしやすさ”と”動線の中にあるかどうか”で決まる」です。最も重要なのは、延べ床面積の10〜15%を目安に、玄関・キッチン・洗面など生活の「通り道」に収納を配置することです。失敗しないためには、「何を・どこに・誰が使うか」を具体的に言葉にしながら、工務店と一緒に収納の場所と大きさを決めていくのが近道です。
正直なところ、「収納率◯%」という数字だけで安心してしまうケースはとても多いです。打ち合わせ中は「収納多めです」と言われるとほっとして、家に帰ってからも「収納率 目安」と何度も検索してしまう。画面に出てくる「10〜15%が理想」という数字に、自分の間取りを当てはめては、胸の中のモヤモヤがなかなか消えない——そんな夜を過ごしている方は珍しくありません。
木村設計のコラムによると、実際の戸建て住宅の収納スペースは延べ床面積の8〜10%程度が現実で、「これ以上の収納スペースの確保を目指したい」とされつつも、約15%を目標に適材適所へ配置することが推奨されています。しかし同じ15%でも、「どこにどう配置するか」で使い勝手は大きく変わります。
僕自身も、最初の家づくりで「ウォークインクローゼットが3帖もあるから大丈夫」と思い込んでいました。ところが入居して半年、「あの大きなWICまで取りに行くのが面倒で、結局リビングに服を掛けっぱなしにしてしまう」日が増えました。棚板の位置も自分の身長と合わず、上段に入れたものは”存在だけ覚えている箱”になっていき、ふと気づいたときには「収納があるのに片付かない家」の出来上がりでした。
よくあるのが、「大きな納戸を一つ作っておけば安心」と考えてしまうパターンです。匠工房のコラムでも、「収納したい量を把握する」「予算から考える」「生活スタイルから考える」という3ステップが重要としながら、「大きなスペースをいくつも用意しても、使いづらいと感じることがある」と指摘しています。
建築家の川添氏も、「収納率という数字にこだわる設計では、収納が多いのに片づかない家になる」と述べ、「奥行きが深すぎる」「高すぎる位置」「動線から外れた場所」にある収納は、使われない原因になりやすいと解説しています。
NAITO HOMEの打ち合わせでも、
「実は、この3帖の納戸、場所と奥行きが今のままだと”物置きの墓場”になりかねません」
と設計担当が率直に伝えたケースがあります。そこで、「1帖分を家族用のファミリークローゼットに」「残りをパントリーと共有収納に」と分割し、日常の動線上に小さめの収納を点在させるプランに変更しました。入居後、そのご家族は「いつの間にか、”片付けるために歩く歩数”が前の家より減っていました」と話してくれました。
注文住宅の収納計画で失敗しやすいのは、「間取りがほぼ決まった後に収納を足そうとする」進め方です。ABCハウジングの解説でも、「収納計画は間取りづくりと同時に考える必要がある」として、後から収納を付け足すと動線が悪くなったり、部屋が狭くなったりするリスクがあると指摘されています。
大建工業の設計者向けコラムでも、「家具を置くスペースをあらかじめ設計することが最も重要」とし、間取りと同時にWALL to WALLの収納スペースの寸法・形状を決めておくことがポイントとされています。
NAITO HOMEの現場で印象的だったのは、ある奥さまがこう話していた場面です。
「正直なところ、打ち合わせ中は”収納は後で考えます”と言ってしまいました。でも、実際に引っ越してみたら、”後で”なんて余裕は全然なかったです」
そのとき、現場監督がそっと一言添えました。
「よくあるのが、引っ越し後に収納家具を買い足していくうちに、せっかくの広さが少しずつ削られてしまうパターンなんです」
その会話を聞きながら、「収納計画は後回しにするほど、後からの調整コストが増える」とあらためて感じました。
匠工房のコラムでは、収納計画のステップ1として「収納したい量を把握する」ことが挙げられています。家具・衣類・家電・趣味の道具などをできる限りリストアップし、不要なものを整理・処分することで、「本当に収納すべき量」が見えてくると解説されています。
福岡のハウスメーカー鬼丸ハウスも、「収納率目安や収納計画のポイント」を紹介する中で、収納したい物の量と種類を把握した上で、延べ床面積に対する収納比率(10〜15%程度)を決めることを推奨しています。
僕が2軒目の家づくりを手伝ったとき、最初にやったのは「家中のモノをA4ノートに書き出す」作業でした。
に分けていくと、「思ったより”年に数回”カテゴリーが多い」という現実に直面します。そのリストをもとに、「年に数回のものを玄関から何歩の場所に置くか?」を一つずつ決めていったことで、収納の”適切な距離”感がつかめました。
建築家の川添氏は、「収納は量ではなく”どこにあるか”が何より重要」とし、「収納は動線の中にある」が基本と書いています。
具体例として、
など、使う場所の近くに収納を配置することで、「行動と整理が一致する」と説明しています。
燕市の工務店のコラムでも、「収納計画で失敗しないコツ」として、
といった考え方が重要と解説されています。
NAITO HOMEの間取りでも、玄関〜LDK〜洗面の動線上に「小さな収納ポイント」を散りばめるプランが多く採用されています。ある施主さんは、
「実は、玄関横のただの壁だと思っていた場所に、薄い収納を作ってもらったんです」
と嬉しそうに話してくれました。宅配の受け取り用ハンコやマスク、子どもの通学用品をそこに集約したことで、「朝の”どこいった?”が減りました」と笑っていました。
木村設計のコラムは、「収納も適材適所」「入れる物により、奥行き・幅・高さは違う」と強調します。奥行きが深すぎる収納は、手前ばかり使われて奥が死蔵スペースになり、「モノの上にモノを重ねる」原因になると指摘しています。
大建工業の解説も、「家具を置くスペースを設計する」ことの重要性に触れ、WALL to WALLの収納空間に対して、どのようなシェイプの家具を入れるか(棚板・引き出し・パイプなど)を決めておくことで、下地補強やコンセント位置を最適化できると述べています。
NAITO HOMEの現場では、
「実は、この棚板の奥行き、5センチ浅くするだけで”積み重ね”が減ります」
と、細かな寸法調整を提案する大工さんもいます。食器棚の奥行きや、パントリーの棚の高さを「実際に使うもの」に合わせて決めていくと、入居後の「取り出しにくさ」がぐっと減っていきます。
【ビフォー】
あるご家族は、「玄関はできるだけコンパクトにして、LDKに広さを回したい」と考えていました。当初プランでは、玄関収納は一般的な下駄箱のみ。打ち合わせの帰り道、奥さまはふと、「今の賃貸みたいに、ベビーカーとアウトドア用品が玄関に並ぶ生活には戻りたくないな」と小さくつぶやいたそうです。
【葛藤】
NAITO HOMEの担当者が現地の暮らしぶりを聞きながら、こう提案しました。
「正直なところ、玄関収納を1帖増やすと、LDKはその分だけ小さくなります。でも、朝の”通り道”をどれくらい大事にしたいか、一緒に考えてみませんか」
その夜、ご夫婦は図面を広げたまま、何度も玄関スペースを行ったり来たり眺めていたといいます。
【アフター】
最終的に、玄関横に1帖のシューズクローク兼外物収納を追加しました。そこには、靴・ベビーカー・アウトドア用品・仕事用カバンが収まるように棚とハンガーパイプを配置。入居後、奥さまは「夕方、玄関を開けたときに”モノの気配”に押されなくなった」と話してくれました。
翌朝、子どもたちが自分でランドセルを置いてからリビングに入る姿を見て、「収納が整うと、暮らしのリズムも少し整うんだな」と感じたそうです。
【ビフォー】
別の施主さんは、「リビングはすっきり見せたい」と、収納を極力減らしたプランを選びました。しかし、打ち合わせの終盤で、「実は、今の賃貸ではリビングに子どものおもちゃと書類が山積みなんです」とポロっと本音が出ました。
【葛藤】
設計担当は少し間をおいてから、こう提案しました。
「よくあるのが、”見せる収納”ばかり意識して、”隠す収納”を忘れてしまうパターンです。正直なところ、リビングに1ヶ所だけ”何でも入れていい収納”を作った方が、日々のストレスは減ります」
「また収納を増やされるんじゃないか」と身構えていたご主人も、「1ヶ所だけなら」と話を聞き始めました。
【アフター】
最終的には、テレビボード横の壁一面をWALL to WALLの収納とし、扉の色を壁と揃えて”見えない収納”にしました。入居から数ヶ月後、奥さまはこうメールをくれました。
「リビングにお客さんを招く前の日、”片付けなきゃ”ではなく、”扉を閉めよう”と思えるようになりました」
リビングの収納が「暮らしの微妙な気配」を受け止めてくれることで、家族の会話にも少し余裕が生まれたと感じているそうです。
【ビフォー】
あるご夫婦は、寝室の隣に4帖のウォークインクローゼットを希望していました。しかし、今の賃貸で「子どもたちの服がリビングに溜まりがち」という悩みを話してくれたとき、設計担当は「その収納、寝室のためだけに使っていいですか?」と問いかけました。
【葛藤】
「実は、ファミリークローゼットを”通り抜け型”にすると、玄関からリビングに行く途中で服を掛けたり、洗面から戻る途中で洗濯物をしまえたりします」
最初はイメージが湧かず、奥さまも「通り道に収納って、なんだか落ち着かない気もして」と不安そうでした。
【アフター】
最終的には、玄関→ファミリークローゼット→洗面→LDKという回遊動線の途中に、2.5帖の通り抜け型クローゼットを配置しました。入居後、ご主人はこう話しています。
「仕事から帰ってきて、玄関で上着を脱ぎ、そのままクローゼットを抜けてリビングに入る流れが自然になりました。気づいたら、”椅子の背中に上着を掛ける癖”が減っていたんです」
翌朝、子どもたちが自分で制服を掛けてからリビングに来る姿を見て、「収納が動線の中にあるだけで、片付けのハードルがこんなに変わるのか」と静かな驚きを感じたそうです。
この状態ならまだ間に合います。間取り確定前であれば、今の暮らしで散らかりやすい場所を一緒に洗い出し、「動線の中の収納」として組み込むことができます。迷っているなら、収納計画を得意としている工務店や建築家に、「今の家で散らかる場所の写真とリスト」を持って相談するのがおすすめです。
一般的には8〜10%が現状で、目標としては10〜15%が推奨されています。ただし、結論としては「場所と使い方」が同じくらい重要です。
ケースによりますが、「大きな1ヶ所」より「小さな複数箇所」の方が使いやすい例も多いです。家族構成と動線を基準に決めるのが現実的です。
収納量を増やすには有効ですが、奥行きが深くなりすぎると使いづらくなります。結論として、「何を入れるか」まで決めた上で設計するのがおすすめです。
食材ストック中心なら1〜1.5帖でも十分という事例が多いです。それ以上広げる場合は、「何をどこまでストックするか」を明確にしないと、ただの物置きになりがちです。
玄関〜洗面〜LDKの動線上にあると、片付けやすさが格段に上がります。寝室奥だけに配置すると、「寝室専用収納」になってしまうケースが多いです。
可動棚は柔軟性が高く、固定棚は安定感とコスト面で有利です。結論としては、「よく使う棚は固定」「高さ調整したい部分だけ可動」にする組み合わせがバランス良いです。
間取りと一体の「造作収納」は動線に馴染みやすく、家具は入居後の自由度が高いです。建物側で「ベースの収納」を作り、細かな部分は家具で調整するのが現実的です。
小さいうちは「共用のファミリークローゼット+学習用品用収納」で十分なケースも多いです。将来仕切る前提なら、コンセントや棚の下地を先に仕込んでおくと後悔が減ります。
「今の家でどこが散らかるか」「どんなモノを入れるか」を具体的にリストアップすることです。この情報がなければ、工務店との打ち合わせも的確な提案が難しくなります。
収納計画で大事なのは、「量」ではなく「場所・動線・奥行・高さ」です。延べ床面積の10〜15%を目安に、玄関・LDK・水回りなど「通り道」に収納を配置することが重要です。今の暮らしで散らかる場所をそのまま写し取り、動線上に”出し入れしやすい収納”を仕込むことで、入居後のストレスは大きく減るのです。
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